プロセスマイニングの位置づけ①

今回は、プロセスマイニングがなぜ最近注目されているのか。他の学問と比較して、プロセスマイニングの位置付けを確認したい。

 プロセスマイニングの対象範囲は極めて広いです。そのため、プロセスマイニングの目的が他のアプローチ、方法論、原則、手法、ツール、パラダイムと重複することは避けられません。実際に見ていきましょう。

 BPMは、当初プロセスの設定と実行に重きを置いていました。プロセスモデルの作成は設計または再設計フェーズに主要な役割を果たし、設定/実装フェーズに直接的に寄与します。しかし、BPMのアプローチはモデル駆動型であり、データに隠されているエビデンスを考慮に入れていませんでした。確かに、最近は、よりデータ駆動的なBPMのライフサイクルの一部としてプロセスマイニングのテクニックが使用されます。ただし、プロセスマイニング用途はBPMだけではありません。イベントが記録できるプロセスは、なんであれプロセスマイニングの対象になり得るからです。

 データマイニングは、データの持ち主にとって理解可能かつ有能な斬新な手法を駆使して、多くの場合、大容量のデータセットを分析し、データ同士の思いも寄らない関係を見つけ出し、それを簡単に示す事を意図したテクニックです。データマイニングもプロセスマイニング同様、データ駆動型です。違うのはほとんどの場合、データマイニングテクニックがプロセス指向型ではない事です。

 リーンシックスシグマは、リーン生産方式とシックシグマを組み合わせた経営手法です。系統的には無駄を省いてパフォーマンスを改善することに重きを置いています。リーン生産方式の重点は、付加価値を生まない行動を無くそうという点にあります、一方、シックスシグマは、付加価値のある行動の質を向上させる事に焦点をおいています。リーンシックスシグマでは、この2つの方向性がお互いに補いあっているのです。プロセスマイニングはリーンシックスシグマの技法の有効性を高めるツールになり得ます。イベントログが記録してあれば、不要な待機時間な手直しを可視化できるからです。

 次回は、BPR、BIと引き続き比較していきます。

 

参考文献『process mining data science in action』