プロセスマイニングの位置づけ②

プロセスマイニングは、様々な考え方と深い関わりがあるが、何が違うのか、前回に引き続き見ていく。

 

プロセスマイニングとBPRを比較する。BPRは、マネジメント手法であり、根本的•徹底的•飛躍的•プロセスの4つのキーワードで特徴づけられる。根本的とは、ビジネスプロセスを再活性化するために「なぜこれをするのか、なぜこのやり方なのか」という基本的な質問を問い続ける意味がある。徹底的とは、再構築したプロセスが現状の仕事の進め方と完全に決別したものでなければならないことを意味する。既存のプロセスから、少しずつ改善するのではなく全く新しいものに生まれ変わらせることを意図したのがBPRだからである。飛躍的とは、表面的な変革ではないという意味が込められている。最後のプロセスとあるように、BPRもプロセスマイニングと同じくプロセス中心であり、プロセスに焦点をあてる。しかし、プロセスマイニングと大きく違う点がある。BPRは、データ駆動型ではないということだ。BPRは、データを詳細に分析することなく、「既存の枠にとらわれない考え方」を強く推奨している。これに対しプロセスマイニングは、問題の特定を支援し、誰でも改善活動を定義できるように既存のイベントデータからプロセスを決める。

 

プロセスマイニングとBIを比較する。プロセスマイニングをBIの一部に位置付けることもできる。それは、BIには、明確な定義が存在せず、意思決定に役立つ実用的な情報の提供を意図した手法全般を含んだ多義的な用語だからだ。しかし、BIツールは、それほど「インテリジェント」な機能はなく、クエリの作成や報告とダッシュボードなど簡単な可視化をするツールに過ぎない事が多い。それに比べて、プロセスマイニングは、過去のデータの分析だけでなく、オペレーショナルサポート、すなわちオンライン環境で予測や提言を行う事ができる。つまり、持続的にプロセスを強化し続けるのを助けてくれるのである。

 

このように、様々な学問とプロセスマイニングを比べてきた。プロセスマイニングは、実際のデータからプロセスの改善を継続的に支援することができる。理想的な状況と現場で起きている様々な問題の原因を他のツールとは、比べものにならないくらい圧倒的な透明性で支援することができる。